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 ■ 事件簿詳細
 出会い系と現代病

対人関係が崩壊している現代において、他人と話さないでデジタルな会話が楽しめす出会い系。そのデジタルな中にウソもマコトもあり、そこに犯罪がある。睡眠誘導剤を用いた犯罪、これからもありえる…ことかもしれない、


出会い系絡みの犯罪は後を絶たない。命を落とさないまでも、危険な目に合っている人たちは少なくない。これは今年4月、
山形県で起こった事件だ。 作業員・酒井健児(仮名)32歳は、携帯電話の出会い系サイトで知り合った女性アルバイト・佐々木雅子(仮名)19歳に言葉巧みに迫り、睡眠導入剤を飲ませて意識もうろうとさせ性被害を与えた。

以前にも同じ手口で犯行に及んでいたが、今回佐々木さんが訴えたことで逮捕となった。
酒井は鬱病で、3年前から精神病院に通院していた。原因は職場でのイジメ。成熟した大人が少なくなったため、職場でのイジメは珍しいことではない。どうしようもなくて退職する者もいる。30を過ぎてからの転職は難しい。何度かの転職の末の今の作業員の仕事、辞める踏ん切りがつかず月に2回通院、カウンセリングとクスリをもらっている。
クスリは抗鬱剤と、犯行に使用された睡眠導入剤。抗鬱剤は通いはじめてから随分と種類も多くなり、当然のように数も増えている。

すがる思いでクスリを服用していた。だが、どうしようもなく気分が塞いでしまい、夜も寝付かれないこともよくあった。そんな時、これで楽になれると睡眠誘導剤を服用した。

効くも効かないも本人の気持ち次第ではあるが、病院側は本人の証言を信じるのみ。酒井が求めるままに催眠誘導剤を処方していた。病院の対面的な問題から、酒井にクスリを処方した医師は本人を診断した上の投与であると証言している。だが今は病院も不祥事ばかり。ズボラな対応が当たり前のようになっているのだから仕方がないのかもしれない。会社でのイジメは
酷くなるばかりだった。昔から対人恐怖症気味であたったが、イジメによりさらにオドオドした感じが助長されていた。
他人の起した仕事のミスの濡れ衣を着せられたり、ストレスが蓄積されていった。

酒井の趣味はテレクラだった。女と会うことが目的ではなかった。サクラでも売春婦でも誰でもよかった。
顔を合わせずに誰かと話が出来ればよかった。 面白い話しが出来る酒井ではなかったが、同じような心境で電話をかけてくる女もいる。単純にテレフォンセックスを楽しみたい女もいる。ときにはオナニーをすることもあった。
送られてくるメールの中に親身になってくれるメールがあった。同じく鬱病もちの佐々木さんだった。

佐々木さんの鬱の原因はわかっていない。どうしようもなく塞ぎ込んでしまい、家を出られないことが月に何度かある。通院しているが、まったく症状は改善されていない。会社は甘くない、鬱が原因で出勤できないのも、仮病で遊びに行くのも一緒だ。休みは休み。当然欠勤の多い佐々木さんはまともな就職は無理だった。顔を合わせなくてもする出会い系のサクラのバイトをたまに休みながらも続けていた。


抗鬱剤のお陰で気分が高揚していたとき、酒井は思い切って佐々木さんに会おうと提案した。一度は断った佐々木さんだったが、あまりの熱心さに会うことにした。狭いこの町でよもや自分が性的な悪戯をされるとも知らず、待ち合わせの駅の改札に向かった。
オドオドした感じの酒井と、地味な佐々木さん。明らかに不釣合いなふたり。チェーン店の居酒屋で軽く食事を取っている。給仕した店員の話によると、会話も少なくオーダーを取りに行ってもぎこちない感じでまわりの目を引いていたという。酒井は佐々木さんが席を立ったときに、彼女の飲み物に催眠誘導剤を混入した。
何も知らない佐々木さんは飲み物を口にした。酔っていたこともあり、口に含んだとき、あれ? と思ったらしいが、気にせず飲み干した。
しばらくして気分の悪くなった佐々木さんを抱えるようにして店を出ている。

何もしないから、もうちょっと一緒にいたいからと酒井は佐々木さんとラブホテルに入る。
ベッドに横になると佐々木さんは深い眠りに入った。そして酒井は犯行に及ぶ。すでに勃起しているペニスをズボンの中からひっぱり出し、佐々木さんの頬にこすりつける。先走り汁が細い糸をひく。首、手、脚と服を着たままの佐々木さんの露出している肌にずりずりとこすりつける。しばらくして佐々木さんが目を覚ます。まさに酒井が佐々木さんに挿入せんとしようとしているときだった。逃げようにも睡眠誘導剤のせいで頭と体がいうことを効かない。佐々木さんは酒井に犯されてしまう。

なぜ佐々木さんは酒井からの誘いを断らなかったのか。佐々木さんは男性経験が少なく、酒井さんのおどおどした感じにすっかり安心していた。また、出会い系のサクラのバイトを始めてから初めてメール先の相手と会ったということで舞い上がっていたというのもある。だがあまりにも人を簡単に信用してしまったのが、不幸を招いた。

互いが同じ鬱病だったというのもあるが、顔をつき合わせてコミュニケーションの取れない人間がハマりやすいネットを介在した
出会いの場…出会い系サイト。原因不明の現代病、鬱と同じくそこで発生するトラブルへの特効薬はないのかもしれない。

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